一般社団法人煌珠会

応用行動分析(ABA)とは??

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【コラム】応用行動分析(ABA)とは??

【コラム】応用行動分析(ABA)とは??

2025/10/06

応用行動分析(ABA)とは

 

応用行動分析は心理学の分野の一つで、行動の原因をその人を取り巻く環境から探り、行動の制御要因を分析する事で、行動の改善を図る事を目的としています。

応用行動分析は教育や福祉、医療、企業、スポーツなど様々な分野で活用されています。

療育の分野では、応用行動分析に基づくASD(自閉症スペクトラム症)向けの療育プログラムが開発されています。内容は多岐にわたり、コミュニケーション、認知、社会的スキル、困った行動への対処、保護者支援、スタッフのトレーニングなどです。

 

応用行動分析(ABA)の目的

 

療育における応用行動分析の目的は、解決すべき課題を特定して、対象のこどもが生活しやすくなる事です。ある行動によってその子にとっての「いい結果」が起きると、その子供はまた同じ行動をするようになります。たとえば、こども同士のけんかが起きた時、注意したり仲裁したりしても改善しない事があるかと思います。その場合は、環境を整え、適応的な遊び方(ルールなど)を教える事で、うまく遊べるようにし、トラブルを減少させる対応を考えます。

応用行動分析では、このようなこどもにとって「ルールを守れば楽しく遊べる」といった「良い結果」を増やすことで、困っている行動を相対的に減らす働きかけをしていきます。

 

療育で応用行動分析(ABA)を行う意義

 

応用行動分析には行動変容のための様々な方法や技法がありますが、その中には行動を観察し望ましい行動を強化するための手法があります。そこで、行動が生じる前と後の環境変化に対して、効果的な工夫をすることで社会生活上の問題の解決につなげます。これが療育で応用行動分析を行う意義と言えます。具体的には次のようなことにつながるでしょう。・困った行動を減らし
たり改善する事ができる。

応用行動分析を療育に取り入れる事で、子供の行動を分析し、困った行動につながる「きっかけ」を見つけることが可能になります。きっかけが見つかれば、きっかけを取り除いたり解消するなどして困った行動やこだわりの強さを減らす事が期待できます。

たとえば、テレビがつけられないと床に頭を打ち付ける自傷行動をするような子供の場合、困った行動を生じにくくするための方法と適切な行動を生じやすくするための方法の2つが考えられます。たとえば、テレビがない部屋で過ごしたり、テレビを観るのと同じくらい楽しい行動をするなどの方法が考えられます。

 

・困った行動を適切なコミュニケーションに置き換える

コミュニケーションが苦手なこどもにも、応用行動分析は有用だと考えられています。

困った行動に代わる適切なコミュニケーションを教える事によって、困った行動の解決につなげる事もできます。

たとえば、友だちのおもちゃを無言で奪い取っていた場合、「かして」と言えばそのおもちゃで遊べたり周りの人から褒められることが分かったとします。その子どもは次に同じような機会があったときにも「かして」と言えるかもしれません。

 

応用行動分析(ABA)の考え方

 

応用行動分析の考え方を、さらに詳しく解説します。

 

・ABC分析

応用行動分析では「ABC分析」というフレームを用います。

A:先行事象・・・その行動が起こるきっかけ

B:行動・・・・・子供の行動

C:結果・・・・・行動によって起きた結果

 

行動だけに注目するのではなく、その前後の事柄を分析して「なぜその行動が起こったのか」を考えるのがABC分析の手法です。

そして、どのような対処方法を取れば困った行動が減らせるかを検討します。

 

・強化

行動の結果、「よいこと」が得られて、その行動が起きやすくなる事を「強化」と言います。

また、行動が起きやすくした「よいこと」を、「正の強化子」と呼びます。

たとえば、店で欲しい物を見つけて大声で泣き叫んだ後、欲しいものが手に入った場合、大声で泣き叫ぶ事が「強化」され同様の行動を取るようになります。また、きょうだいでルールを守って遊べたらお手伝いが免除になるなど、行動の後にもたらされる好ましくない結果がなくなる事でその行動が増える場合があります。その場合はお手伝いが「負の強化子」と呼ばれます。

 

・弱化

行動の結果「いやな事」が起きて、行動が起きにくくなる事を「弱化」と呼びます。そして、行動を起きにくくした「いやな事」を「弱化子」と呼びます。

たとえば、お手伝いをしたのに「やり方が悪い」と文句を言われたのでお手伝いをしなくなったなどが弱化です。療育において弱化は基本的に使いません。

 

・消去

強化されていた行動の強化を中止させる方法を「消去」と呼びます。

大泣きをしてお菓子を買ってもらった子どもに対し、大泣きをしてもお菓子を買わないことなどが消去の例です。

ただし、消去だけで使うのではなく、変わりの行動を設定して代わりの行動に対して強化を行う事が重要です。

たとえば、「お菓子を我慢できたね、よくがんばったね」とほめてもらった子どもが、お菓子を買ってもらうよりも嬉しい気持ちになれば次の行動に変化が起きると期待されます。

 

応用行動分析(ABA)を学ぶメリット

 

応用行動分析を学ぶ事によって、療育の支援者として以下のような知識や技術を身に付ける事ができるでしょう。

 

・本人や保護者の話を聞く

子どもの困った行動には必ず理由があります。まずは、本人や保護者の話にしっかり耳を傾ける事が重要です。話を聞いてみる事で、困った行動の理由がわかるかもしれません。

仮に困った行動の理由が周囲の人にさらに構ってもらいたい、気をかけてもらいたいといった要求に基づくものであれば、しっかり話を聞いてあげるだけでも困った行動の減少につながるかもしれません。

 

・周りの環境を変える

困った行動が起こらないようにするためには、周りの環境を変える事も有効です。

たとえば、友だちとのトラブルが起こるならグループを変える、片付けができなければ片付けやすいようなおもちゃ箱に変えるなど、原因となっている環境を変えてみることなどです。

本人へ直接アプローチするだけの場合と比べて、早期に困った行動の減少につながる可能性が高まります。

 

・ポジティブなフィードバックを伝える

困った行動が改善したり、困った行動が見られなかったりしたときには、子どもに積極的に声をかけ、意識してポジティブなフィードバックを繰り返すことが大切です。

「今日は自分から宿題を始めたんだね、かっこいいね!」などのポジティブなフィードバックが好子となり、行動改善の助けとなります。

 

応用行動分析(ABA)を実施する施設

 

日本においては、児童発達支援や放課後等デイサービスで応用行動分析に基づいたプログラムを実施しているところはありますが、療育機関や教育機関であっても応用行動分析を取り入れているところはまだ多くありません。

アメリカやカナダなどでは応用行動分析に関する様々な資格がありますが、日本では公的な資格はまだない事も一因かもしれません。

とはいえ、何らかの形で応用行動分析を活用している施設は日本でもあるため、そういった施設があればどのような形で取り入れているのか聞いてみるのもよいでしょう。

 

まとめ

 

応用行動分析の概要と、療育における活用の目的や流れについてお伝えしました。

行動の前後にある「きっかけ」と「結果」に注目する応用行動分析は、困った行動を減らすのに有効なだけでなく、障がいのある子どもの生きやすさにもつながる手法ではないでしょうか。

 

 

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