【コラム】常同行動とは?
2026/01/24
常同行動とは?いつから見られる?原因や対処法も解説します
子どもが「手をひらひらと動かす」「同じ場所をうろうろする」「くるくる回る」「奇声をあげ続ける」といった行動を繰り返していて気になる、という方もいるのではないしょうか?
こういった、外から見ると意図がわからない、繰り返しおこなわれる行動のことを「常同行動」といいます。
常同行動自体は小さい子どもに珍しいものではありませんが、日常に影響が出るようですと治療や対策が必要になってきます。
この記事では常同行動の説明や、具体例、原因や対処法について紹介します。
常同行動とは?
常同行動とは、「外から見ると意図がわからない、繰り返しおこなわれる行動」のことです。
常同行動は3歳までに現れるとされていて、「体をリズミカルに前後にゆする」「自分の体を手で叩いたりつねったりする」「同じ場所をうろうろする」などさまざまなパターンがあります。
研究によると
「時と場所を選ばずに反復してあらわれ、目的や意味を明確にすることが困難な行動」
と定義づけられています。実際に家庭や外出先、学校など場面を選ばずに子どもが常同行動をしているという方もいるのではないでしょうか。
常同行動には先に上げたもの以外にも、以下のような行動があります
同一地点をぐるぐる回る
目的なしに飛び跳ねる
頭を壁などにぶつける
手を打ち鳴らす
手をひらひらさせる
自分の髪を引っ張る
物を振り回す
回転物に見入る
歯をカチカチ鳴らす
不自然な姿勢を維持する
自分(または他者)の匂いをかぐ
意味のない言葉を繰り返す など
こういった行動は全部が現れるわけではなく、子どもによって現れ方は異なっています。また、年齢によっても現れる常同行動が変わることもあるようです。
常同行動が日常や学校などに大きく影響が出ている場合は、常同運動症/常同運動障害と診断される場合があります。
世界的な診断基準である『DSM-5』(アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル)によると、以下のような診断基準が記されています。
体を揺らす、頭を打ち付ける、自分にかみつくなど、反復し、駆り立てられるように見える、外見上無目的な行動がある。
その行動が発達早期(生後三年以内)に現れている
その行動によって、社会的、学業的、その他の活動に支障が出ていて、自傷になっていることもある
その行動が、薬や他の疾患などによってうまく説明されない
このように常同運動症/常同運動障害は、体を揺らすなどの常同行動があるだけでなく、現れた年齢や影響などを含めて判断されます。
子どもの常同行動は3歳までに現れはじめると言われています。軽く体をゆするだけといった単純な常同行動は乳幼児期から現れることがあります。
その後成長に伴って複雑な常同行動が現れるようになり、年齢とともに減少していく傾向があります。
常同行動が現れる傾向
常同行動は誰にでも現れる可能性がありますが、子どもでは発達障害の中でも特にASD(自閉スペクトラム症)、知的障害(知的発達症)、視覚障害などがある場合に見られることが多いと言われています。
発達障害や知的障害のある子どもの場合は、学齢期以降も常同行動が現れることや、自傷を伴う常同行動が現れるといった傾向があります。
とはいえ、常同行動がある子どもに障害があると判断できるわけではありません。
常同行動のほかにも気になることがある場合は、かかりつけ医や後ほど紹介する支援機関などに相談をするようにしましょう。
常同行動は他者からすると意図が見えづらいですが、本人にとっては意味のある行動です。
その理由として以下のようなことが考えられます。
何か要求を伝えたい
不快な刺激を避けたい
刺激を求めている
何か要求を伝えたい
常同行動は子どもが何かしらの要求を伝えたいときに現れる場合があります。
例えば部屋の暖房が効きすぎていて暑い、お腹が空いている、眠いのに眠れないといった不満や要求を常同行動によって表現しているといった具合です。また、奇声をあげつづけて注目を得ているという場合もあります。
不快な刺激を避けたい
不快な刺激があったときに、常同行動によってそれを遠ざけて安心感を得ようとしている事も考えられます。
他の人が気にならないような光や音などの刺激も、子どもによっては大きなストレスとなる場合があります。そういったときに、常同行動によって刺激を遠ざけたり遮断することで安心まき感を得ようとしている場合があります。
刺激を求めている
逆に刺激を感じづらい子どもが、刺激を求めて常同行動を起こしている場合もあります。
話し声や物音など、ある程度の刺激がある空間でも、子どもによっては刺激を感じない場合もあります。そういったときに自分の体をつねって痛みを感じたり、物を叩いて音を出したりといった常同行動によって刺激を得ようとすることがあります。
このような理由が背景にあることを知っておくことで、対処法を考える際の参考にすることもできます。
常同行動が気になる場合の対処法として、以下の3つがあります。
行動の置き換え
行動の指示
ルールを決める・環境を整える
それぞれを詳しく見ていきましょう。
行動の置き換え
行動の置き換えとは、困りごとにつながる常同行動を別の行動に変更する方法です。
例えば、自分の体をつねってしまう常同行動がある場合には、「プチプチ」を渡してそれを潰すという行動に置き換える、といった方法があります。
常同行動がコミュニケーションになっている場合は、かわりになるコミュニケーション行動を教えたり、刺激を求めている場合は適切な余暇活動を教えることが大切です。
行動の指示
行動の指示は、何をしたらいいのかわからなくて常同行動が現れている場合に、適切な指示を出してすべきことを明確にする方法です。
例えば、学習机の前の椅子に座っても体を前後に揺らし続ける常同行動が現れている場合は、「ほら、鉛筆持って教科書を開こうか」といった指示することで、やることを明確にしていきます。
ルールを決める・環境を整える
行動の条件付けとは、常同行動をしていい場所を指定することで、常同行動を制御できるようにする方法です。
例えば教室で大声を出してしまう子どもには、「大きな声を出すのは家の中だけ」といったルールを決めておくといった方法があります。環境設定としては、とびはねる場合にトランポリンを用意するなどがあります。
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